もっと理解できるキーワード

KEYWORD 01
市場 (シジョウ)
東証にとっては経営の資源であり、インフラでもある。
 買い手と売り手が出会い、売買価格が決まり、取引が行われ、売買代金が決済される──これが市場である。東証が開設し運営しているのは株や債券などの金融商品市場。成長力の高い企業、経営が安定している企業が多数上場し、多くの投資家が取引に参加することは、日本経済に活力をもたらすだけでなく、東証の経営にとっても大きな課題だ。というのも、企業にとっては発行した有価証券が多くの投資家によって取引される場を、投資家にとっては多様な銘柄を適切な価格で売買できる場を、それぞれ提供することによって、その対価を得るのが東証のビジネスモデルだからだ。市場は東証にとって、最重要の経営資源なのである。東証が信頼され、使い勝手のよい市場の実現に努力しているのはそのためなのだ。

証券市場の仕組み


KEYWORD 02
上場 (ジョウジョウ) 
なぜ、企業は上場を目指すのか。
 ある企業が発行する株式や債券を、金融商品取引所が開設する市場で売買の対象とすることを取引所が認めること──これが上場だ。みなさんは「東証一部上場企業」という文字を目にしたことがあると思うが、これは「東証の市場第一部で有価証券が取引されている企業」という意味。東証では上場にあたって、経営基盤の弱い企業や経営の透明性に問題がある企業の株式などが取引され、投資家に損害を与えることのないように、厳しい基準を設けている。それでも東証への上場を希望する企業が相次いでいるのは、東証という市場に上場することで、大量の資金調達が容易になり社会的な信用も増すからだ。もちろん就職活動中のみなさんにとっても、「東証上場」は企業の力を判断する有力な指標となっているはずだ。

上場申請から上場承認まで(通常申請の場合)


KEYWORD 03
株式会社 (カブシキガイシャ)
ちなみに東証も株式会社だ。
 東証には第一部、第二部、マザーズの各市場を合わせて、2,308(2010年8月3日現在)の株式会社が上場している。株式会社とは事業を進めるために必要な資金を、株式の発行によって集める経営の形態で、資金の出し手である株主は出資額に応じてその会社を所有し、かつ会社の債務に対して責任を負う。株式は譲渡することができる(つまり売買が可能)。そのため株式会社は信頼できる金融商品市場を求め、逆に金融商品市場は投資家を魅きつける株式会社の上場を望む。とはいえ、上場株式会社と金融商品市場の関係は決してもたれ合いではなく、投資家の期待に応えるという目標を相互の立場で追求しているため、規律あるものとなっている。


KEYWORD 04
投資家 (トウシカ)
より多数の、より多様な投資判断を。
 生き生きとした経済活動のために欠かせないリスクの取り手──それが投資家だ。多数の投資家が、それぞれの判断に基づいて投資を売買取引を行うことによって、市場の価格は全体として適正なレベルに落ち着き、市場の価格形成メカニズムは健全に機能することになる。投資家は、個々の判断に基づいてリスクを計り、それに見合ったリターンを追求する。判断が誤って損失をこうむっても、それは市場のルールでは自己の責任とされる。ただし、前提がある。投資判断のもととなる情報が、すべての投資家に公平に与えられているということである。東証もより多くの投資家の参加によって、健全な価格形成機能を維持するため、上場企業の重要な経営情報が、投資家に公平に届くようさまざまな施策を講じている。


KEYWORD 05
Timely Disclosure(タイムリー・ディスクロージャー)
市場のフェアネスを維持するために。
「適時開示」と訳される。投資家の判断に影響を与える重要な経営情報について、上場企業は包み隠さずに明らかにするだけではなく、ただちにそれをすべての投資家が知ることができるように公表しなくてはならない。これがタイムリーの意味である。東証はフェアな市場運営のため、「適時開示」を上場企業に強く要請し、指導を行なっている。


KEYWORD 06
取引監視 (トリヒキカンシ) 
時にはイエローカードやレッドカードも出します。
 個人であろうと企業であろうと、利益を追求すること自体は悪いことではない。というか、その意欲こそが市場というシステムを根底で支えているのだ。ところが利益を求めるあまり、しばしばルールを破る不心得者が現われるのも市場の現実だ。こうした好ましからざる存在を放置すると市場の秩序は保たれず、他の投資家に思わぬ損害を与えてしまう。そうしたことのないように、東証はルールの順守を投資家や上場企業に強く働きかけるとともに、取引への厳格な監視体制をとっている。インサイダー取引、風説の流布・株価操作を疑わせる取引を発見した場合、東証は関係者に強い警告を伝え、悪質な場合は取締当局への告発も行う。このように東証では、公正、正義といった価値観が業務の中で、かけがえのないものとして位置づけられているのだ。


KEYWORD 07
情報その1 (ジョウホウ・ソノイチ) 
システムは東証の競争力の基盤。
 1枚のシャツを買うだけでも、ブランド・価格・ショップ・素材・デザインなどの情報が必要になる。いっぽうシャツを売る側でも、買い手の好みや最新のトレンドについての情報を集めている。売買取引という行為には、このように多数の情報が必要で、またそこからはさらに多数の情報が生まれる。有価証券の売買が行われる東証も膨大な情報の集中地点であり、同時に東証は膨大な情報の発信地点でもある。東証に集中した情報(たとえば売買の注文)を正確に処理し、取引から発生した情報(たとえば株価)を迅速に発信するには、情報システムの力が欠かせない。最近のようにネットを介した売買が当たり前の取引形態になると、システムの能力や機能は取引所の価値を左右するポイントとなる。東証がシステムの増強に巨額の投資を行ない、優れた人材を求めているのはそのためなのだ。
KEYWORD 08
情報その2 (ジョウホウ・ソノニ) 
東証には情報サービス業の顔もある。
 毎日目にするテレビのニュースでは、必ず東証株価指数(TOPIX)が伝えられる。新聞紙上にも株価欄があり、東証上場の銘柄の値動きに大きなスペースがさかれている。ここからも、東証から発信される情報の価値がきわめて高いことが分かる。株価以外にも上場企業の合併、TOB(公開買付)といったM&A関連や株式分割などの適時開示情報、決算・増資・配当などの財務関連情報などが、東証には集中する。東証ではこれらの多様な情報をさまざまな方法で、報道機関・金融機関・投資家に、有償で配信している。価値ある情報をビジネスに結びつけるという点で、東証には情報サービス業の一面もある。

「東京金融商品取引所」発の情報の流れ


KEYWORD 09
TOPIXと日経平均(トピックス・ト・ニッケイヘイキン) 
市場の変動をリアルに示す。
 どちらも新聞紙上やテレビのニュースでしばしば目にする言葉だ。TOPIXは東証株価指数のこと。1968年1月4日の終値から算出した東証第一部全銘柄の時価総額を100とし、その後の時価総額を指数化したもの。市場全体の資産価値の変化によって、株価の変動をみようとする指標だ。日経平均はその名の通り日本経済新聞社が、東証第一部銘柄の中から選択した225銘柄の株価の平均値。「円」で表示されることもあって、株価の動向を肌で感じることができる。これら両タイプにはそれぞれ一長一短あるが、資産運用のため、運用成績評価の基準として利用するのであれば、一般的には、時価総額加重型の株価指数の方が適していると言われている。なぜなら、時価総額加重型の株価指数は、株式市場の全体または一部の時価総額の動きを示すという点で、ファンドの資産価値の増減を直接的な問題とする年金や投信といった資産運用と、より密接に関連していると言えるからだ。我が国の資産運用において、TOPIXが一般的に用いられている理由の一つはこうした点にある。

TOPIXと日経平均株価の計算式

TOPIXとニューインデックスシリーズの概要


KEYWORD 10
市場間競争(シジョウカンキョウソウ) 
機能性と信頼性をめぐるグローバル・コンペティション。
 東証に上場している多くの企業では、外国人株主の比率が増加している。また東証での取引における外国人投資家の存在感も大きくなっている。こうした動向は世界の主要な取引所でも同様だ。これは資金が国境を越えて移動するグローバル化の反映でもある。グローバリゼーションのもとでは、投資家は資金が迅速に円滑に運用できる市場を、企業は資金がより効率的に調達できる市場を、世界の取引所から選ぼうとする。つまり、取引所は開設する金融商品市場の機能性と信頼性をめぐる、激しい国際間競争にさらされているのだ。いま世界の取引所間では、統合や提携に向けた動きが活発である。東証もこの動きを見据えて、市場間競争に生き残るための布石を着々と打っているところだ。


KEYWORD 11
Hub Market (ハブマーケット) 
東証の重要な目標の一つ。
自転車の車輪の中心をハブ、そこからタイヤに向かって放射状に伸びている金属の線をスポークという。物流や輸送のネットワークを説明する場合にも用いられる。たとえば航空路線網では、中心となる空港をハブ空港と呼び、そこから放射状に伸びる路線をスポークという。ハブマーケットとは、一定地域の中心となる市場のことで、ここには多くの投資家と資金が集まり、スポーク状に結びついた周辺の市場への影響力も大きくなる。したがってハブマーケットの地位を確立することは、市場間競争においても非常に有利となる。東アジアにはシンガポール・香港・上海・ソウルなどの取引所があるが、それらの市場の中心となることを東証は目指している。


KEYWORD 12
上場商品 (ジョウジョウショウヒン) 
株や債券以外にもさまざまな取引が。
東証での取引の対象となっているのは株・債券のほかに、REIT(不動産投資信託証券。リートと読む)・ETF(株価指数連動型投資信託受益証券)・優先出資証券・優先証券、そしてデリバティブと呼ばれる先物やオプションなどがある。株や債券とともにこれらを総称して上場商品と呼ぶ。投資家をひきつける魅力的な上場商品の開発は、東証にとっても大切なテーマだが、それには投資家のニーズを把握するとともに、公正な取引が活発に行われるような上場商品の設計と、それにあわせた制度やルールの整備も欠かせない。これもまた東証ならではの仕事だ。

株や債券以外の主な上場商品
詳細は
REIThttp://www.tse.or.jp/rules/reit/index.html
ETFhttp://www.tse.or.jp/rules/etf/esquare.html
をご覧ください。


KEYWORD 13
兜町 (カブトチョウ)
金融商品市場の代名詞。
 東京都中央区日本橋兜町2-1、東証の所在地だ。ニューヨークのウォール街、ロンドンのシティと並んで、兜町は日本の金融商品市場そのものを表す言葉となっている。江戸時代の初め、埋立てによって生まれた兜町一帯は、その後大名の屋敷町となり、明治11年に東証の前身である東京株式取引所がこの地で営業を開始することになった。それとともに周辺には当時のわが国を代表する企業が集まるようになり、兜町は一大ビジネスセンターとして成長を遂げる。昭和24年の東証誕生以降も、兜町には多くの証券会社が集中し、日本のセントラルマーケットとして、活気ある街並みを維持し続けている。


KEYWORD 14
東証アカデミー(トウショウ・アカデミー)
広く社会に市場の活用を促す東証。
 東証アカデミーは、個人を中心により多くの投資家の市場への参加を働きかけるため、また上場を目指す企業をサポートするため、市場と金融商品取引に関する知識を伝えることを目的に平成16年に開校した。内容には初心者から中級者までそれぞれのコースがあり、夜間のコースや地方での開催もある。間接金融から直接金融へと向かう時代の流れの中で、その役割はますます大切になっている。他にも東証では、国内外の優良な企業が東証に上場するようプロモーション活動を展開するなど、社会との接点を積極的に開拓している。


KEYWORD 15
少数精鋭 (ショウスウセイエイ)
東証の人事戦略の基本。
 市場は東証の最大の経営資源だ。この資源は厳格なルールと、巨大で精緻な情報システムによって支えられている。しかし、それを動かすのは人間である。市場の価値を生かすか殺すかは、東証の社員の肩にかかっている。つまり東証にとっては、“人”こそ唯一のそして最高の経営資源ということになる。だから東証は人を大切に育てる。採用した社員の全員が、市場を正しくまた生き生きと機能させる能力が獲得できるよう、じっくりとていねいにその成長を図る。決して多くはない社員数で、世界有数の金融商品市場を開設し運営できているのは、そのような人事戦略が基本にあるからだ。

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